【偃武】 えん‐ぶ
武器を伏せて使わないこと。戦争がやみ、世の中が治まること。
【元和偃武】 げんな‐えんぶ
《「偃武」は武力を用いない意》元和元年(1615)の大坂夏の陣以後、世の中が太平になったこと。
【演武】 えん‐ぶ
武芸を人前で演じること。また、武芸をけいこすること。
【官武】 かん‐ぶ
1 公卿と武家。また、朝廷と幕府。
2 文官と武官。
【武官】 ぶ‐かん
1 軍事に従事する官吏。旧日本陸海軍では、下士官以上の軍人。Z5192.gif文官。
2 律令制で、武事に携わった官。衛府(えふ)や諸国の軍団に属する官など。
【観戦武官】 かんせん‐ぶかん
交戦国の許可を得て、観戦する第三国の軍人。
【軍部大臣現役武官制】 ぐんぶだいじん‐げんえきぶかんせい
明治憲法下で、陸・海軍大臣を現役の大・中将に限る制度。明治33年(1900)から実施。軍部専制に利用された。
【侍従武官】 じじゅう‐ぶかん
第二次大戦前、天皇に近侍して、編制・統帥など軍事に関する大権の執行を補佐した陸海軍の将校。
【駐在武官】 ちゅうざい‐ぶかん
一定期間外国に駐在する陸・海・空軍武官。ふつう、大使館付き武官をさし、軍事情報の収集などにあたる。
【公武】 こう‐ぶ
公家(くげ)と武家。また、朝廷と幕府。
【公武合体】 こうぶ‐がったい
江戸末期、朝廷と幕府とが一致して外敵の難を処理し、同時に幕府の体制の立て直しを図ろうとした構想。大老井伊直弼(いいなおすけ)の死後、老中安藤信正らが主張、和宮(かずのみや)降嫁が実現したが、のち、戊辰(ぼしん)戦争で討幕派に圧倒された。
【講武】 こう‐ぶ
武道を習うこと。武芸を鍛えること。
【講武所】 こうぶ‐しょ
安政元年(1854)江戸幕府が旗本や御家人に、剣術・槍術(そうじゅつ)・砲術などを講習させるために設けた武道場。初め築地鉄砲洲(てっぽうず)に設けられ、のちに神田小川町に移る。慶応2年(1866)陸軍所の設置に伴って廃止。
【武田】 たけだ
1 姓氏の一。
2 中世、甲斐(かい)の守護・戦国大名の家。清和源氏。源義光の三男義清が甲斐国北巨摩(きたこま)郡武田村に土着してからこの名を称したと伝えられる。
【武田菱】 たけだ‐びし
紋所の名。菱形四つを菱形に組み合わせたもの。甲斐の武田氏の紋。四割菱(よつわりびし)。割菱。
【武田流】 たけだ‐りゅう = 【甲州流】こうしゅう‐りゅう
小幡勘兵衛景憲(かげのり)が創始した兵法の一流派。江戸初期に始まり、武田信玄・山本勘助らの流儀を受け継いだといわれる。信玄流。
【武生】【武生市】 たけふ‐し
福井県にあった市。平成17年(2005)10月、今立町と合併し越前市となった。
【武文蟹】 たけぶん‐がに
《元弘の乱に兵庫の海で死んだ秦武文(はたのたけぶん)が生まれ変わったといわれるところから》ヘイケガニの別名。
【武甕槌神/建御雷神】 たけみかづち‐の‐かみ
日本神話で、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が火神を切り殺したとき、剣に付着した血から化生(けしょう)した神。経津主神(ふつぬしのかみ)とともに、葦原の中つ国に派遣され、国譲りの交渉に成功。また、神武東征においても、天皇の危難を救った。鹿島神宮の祭神。
【東武】 とう‐ぶ
1 武蔵(むさし)国の異称。また、その東部。
2 江戸の異称。
【野伏/野臥】 の‐ぶし
1 山野に寝起きして修行する僧。山伏。
2 (「野武士」とも書く)中世、山野に隠れて、追いはぎや強盗などを働いた武装農民集団。のぶせり。
3 合戦に先だち小人数で攻撃をしかけること。
4 定まった住居もなく野宿すること。また、その者。のぶせり。
【武威】 ぶ‐い
武力の威勢。また、武家の威光。「―を輝かす」「―を示す」
【武運】 ぶ‐うん
戦いの勝ち負けの運命。また、武士・軍人としての運命。「―の長久を祈る」「―つたなく敗退する」
【武衛】 ぶ‐えい
兵衛府(ひょうえふ)の唐名。
【武学】 ぶ‐がく
兵法・武術に関する学問。兵学。
【武頭】 ぶ‐がしら
武家時代、弓組・鉄砲組などを統率する長。物頭(ものがしら)。
【武鑑】 ぶ‐かん
江戸時代、諸大名・旗本の氏名・禄高・系図・居城・家紋や主な臣下の氏名などを記した本。毎年改訂して出版された。「正保武鑑」「江戸鑑」「本朝武鑑」などの類。
【武器】 ぶ‐き
1 戦いに用いる種々の道具や器具。刀や銃などの、敵を攻撃したり自分を守ったりするための兵器や武具。
2 何かをするための有力な手段となるもの。「弁舌を―にする」
【武技】 ぶ‐ぎ
武道に関する技術。武芸。武術。
【武器貸与法】 ぶきたいよ‐ほう
《 Lend-Lease Act 》第二次大戦中、連合諸国に対して武器・軍需品を売却・譲渡・貸与する権限を大統領に与えた、米国の法律。1946年適用中止。
【武器よさらば】 ぶきよさらば
《原題 A Farewell to Arms 》ヘミングウェイの長編小説。1929年刊。第一次大戦中のイタリアを舞台に、アメリカ人中尉ヘンリーとイギリス人看護婦キャサリンとの悲恋を通して、戦争がもたらす悲劇を描く。
【武具】 ぶ‐ぐ
戦いに用いる道具。武器。鎧・兜・槍・刀など。
【武具奉行】 ぶぐ‐ぶぎょう
1 江戸幕府の職名。文久3年(1863)具足奉行が、弓矢槍奉行の職を兼ねて改称したもの。
2 江戸幕府の職名。駿府城・二条城に置かれ、武具を管理した職。
【武勲】 ぶ‐くん
戦場でたてた手がら。武功。「―をたてる」
【武勲詩】 ぶくん‐し
《(フランス) chanson de geste 》中世フランスで作られた英雄叙事詩。「ローランの歌」などカール大帝と封建諸侯の武勲に取材したものが多い。
【武家】 ぶ‐け
1 武士の家筋。武門。また、一般に武士の総称。Z5192.gif公家(くげ)。
2 室町時代、特に幕府あるいは将軍家をいう。
【武芸】 ぶ‐げい
剣・弓・馬・槍・銃砲など、武道に関する技芸。武技。武術。
【武芸者】 ぶげい‐しゃ
武芸を修行する人。また、武芸にすぐれた人。
【武芸十八般】 ぶげい‐じゅうはっぱん
1 中国や日本で武人に必要とされた18種目の武芸。日本ではふつう、弓・馬・槍・剣・水泳・抜刀・短刀・十手(じって)・銑Z6979.gif(しゅりけん)・含針・薙刀(なぎなた)・砲・捕手・柔・棒・鎖鎌(くさりがま)・Z6E08.gif(もじり)・隠(しのび)をいう。→十八般
2 すべての武芸。武芸全般。
【武家華族】 ぶけ‐かぞく
もと武家で、明治維新以後華族となったもの。
【武家方】 ぶけ‐がた
1 武家の人々。武家衆。また、武家の側に味方する人々。
2 南北朝時代の足利方。Z5192.gif宮方(みやがた)。
【武家義理物語】 ぶけぎりものがたり
浮世草子。6巻。井原西鶴作。元禄元年(1688)刊。身を犠牲にしても義理を立てようとする武士の精神を描く。
【武家故実】 ぶけ‐こじつ
武家に関する故実。
【武家時代】 ぶけ‐じだい
武家1が政権を握っていた時代。鎌倉時代から江戸時代末までの約680年間。
【武家衆】 ぶけ‐しゅう
武家の人々。幕府に仕える武士。
【武家諸法度】 ぶけ‐しょはっと
江戸幕府が諸大名を統制するために制定した法令。元和元年(1615)徳川家康の命により2代将軍秀忠のときに発布された13箇条が最初。その後必要に応じて改訂された。城の修築や婚姻・参勤交代などについて規定。
【武家政治】 ぶけ‐せいじ
武家が政権を掌握して行う政治。一般に、征夷大将軍が幕府を開いて行った鎌倉・室町・江戸の3時代の政治をいう。
【武家造(り)】 ぶけ‐づくり
武家住宅の建築様式。のちの書院造りの祖形と考えられるが実例がないので詳細は不明。
【武家伝奏】 ぶけ‐てんそう
《「ぶけでんそう」とも》室町・江戸時代の朝廷の職名。諸事にわたり、武家との連絡にあたる役。江戸時代には定員2名で関白に次ぐ要職。納言・参議から選ばれた。伝奏。
【武家法】 ぶけ‐ほう
武家が政治的権力を掌握していた時期の法体系。はじめ武士間の慣習法として成立、鎌倉幕府の御成敗式目で成文法として確立。戦国大名は分国法を制定してそれぞれの領国を支配、江戸幕府は禁中並公家諸法度・武家諸法度などを制定して封建制度維持の基とした。
【武家奉公】 ぶけ‐ぼうこう
武士の家に召し使われること。
【武家名目抄】 ぶけみょうもくしょう
江戸後期の有職故実書。381冊。塙保己一(はなわほきいち)編。保己一の死後、中山信名・松岡辰方が継承、和学講談所により万延元年(1860)ごろ完成。武家の有職故実に関する名目を職掌・制度・衣服など16の部門に分類。各項ごとに引例・考証を加えたもの。
【武家物】 ぶけ‐もの
浮世草子で、武家生活に題材を取ったもの。井原西鶴の「武道伝来記」「武家義理物語」など。
【武家役】 ぶけ‐やく
中世、将軍が御家人・奉公衆に課した課役。番役・軍役のほか、段銭・棟別銭など出銭を課することもあった。
【武家屋敷】 ぶけ‐やしき
戦国時代以後、城下町で武士が主君から与えられて住んだ屋敷。
【武功】 ぶ‐こう
戦いであげた手柄。武勲。軍功。
【武甲】 ぶ‐こう
武蔵(むさし)国と甲斐(かい)国。甲武。
【武江】 ぶ‐こう
武蔵国江戸の意。
【武甲山】 ぶこう‐ざん
埼玉県西部の山。秩父市と秩父郡横瀬町の境にある。古来信仰の山。石灰岩採掘が行われ、山体が破壊。かつての標高は1336メートル。
【武左】 ぶ‐ざ
《「武左衛門」の略》田舎侍をあざけっていう語。特に遊里で、やぼな武士についていう。
【武左めく】 ぶざ‐め・く
[動カ四]武左(田舎侍)のような、やぼな振る舞いをする。
【武州】 ぶ‐しゅう
武蔵(むさし)国の異称。
【文事】 ぶん‐じ
学問・文芸などに関する事柄。
【武事】 ぶ‐じ
武芸や戦争などに関する事柄。
【武州一揆】 ぶしゅう‐いっき
慶応2年(1866)武蔵国で起こった一揆。6月13日同国秩父郡上名栗村で蜂起、19日に壊滅。「世直し」を掲げた貧農らにより豪農層に対する打ちこわしが行われた。武州世直し一揆。
【武術】 ぶ‐じゅつ
剣・弓・馬・槍など、武士として戦うのに必要な技術。武芸。武技。
【武将】 ぶ‐しょう
武士の大将。また、武道にすぐれた将軍。「戦国―」
【武臣】 ぶ‐しん
武事をもって君主に仕える家臣。
【武神】 ぶ‐しん
武道をつかさどり、武運を守護する神。いくさがみ。
【武人】 ぶ‐じん
武士。軍人。いくさびと。
【武相】 ぶ‐そう
武蔵国と相模国。
【武鯛/不鯛】 ぶ‐だい
スズキ目ブダイ科の海水魚。全長約60センチ。体は長楕円形で側扁し、うろこが大きく、くちばし状の強い歯をもつ。体色は緑褐色で、雄は青みを、雌は赤みを帯びる。本州中部以南の沿岸の岩礁域に分布。食用。いがみ。《季 冬》
【武太刀】 ぶ‐たち
戦陣で用いる太刀。
【文治】 ぶんち
武力によらず、教化・法令などによって世を治めること。
【武断】 ぶ‐だん
武力をもって政治を行うこと。物事を力で処理すること。
【武断主義】 ぶだん‐しゅぎ
武力をもって事を解決しようとする主義。
【武断政治】 ぶだん‐せいじ
1 武力をもって行う政治。
2 特に江戸初期、3代将軍家光までの政治支配のありかた。
【武断派】 ぶだん‐は
武力をもって政治を行おうとする立場の人。
【武闘】 ぶ‐とう
武力で相手と戦うこと。「武闘路線」
【武道】 ぶ‐どう
1 武士として身につけるべき技。武芸。武術。
2 武士として守るべき道。武士道。
【武道方】 ぶどう‐がた
歌舞伎の役柄の一。立役(たちやく)のうち、特に武術にすぐれた勇壮な役。
【武道伝来記】 ぶどうでんらいき
浮世草子。8巻。井原西鶴作。貞享4年(1687)刊。諸国の敵討ち32話を集めたもの。
【武徳】 ぶ‐とく
1 武士として守るべき徳義。また、武士の威徳。
【武徳殿】 ぶとく‐でん
1 平安京大内裏の殿舎の一。右近衛府の東にあり、騎射・競べ馬などのときに天皇がこの殿舎で観覧した。弓場殿(ゆばどの)。
2 明治28年(1895)京都の平安神宮の境内に建てられた大日本武徳会の演武場。現在は廃止。
【武徳門】 ぶとく‐もん
平安京内裏内郭十二門の一。西面し、陰明門の南にあった。
【武の舞】 ぶ‐の‐まい
舞楽の舞姿のうえからの分類の一。剣や鉾(ほこ)・盾を持って勇壮に舞う。散手(さんじゅ)・陪臚(ばいろ)・太平楽など。<->文の舞。
【武張る】 ぶ‐ば・る
[動ラ五(四)]強く勇ましそうなようすを帯びる。また、堅苦しくいかめしいようすをする。
「武張った物言い」
【武備】 ぶ‐び
戦争に対する備え。軍備。兵備。
【武夫】 ぶ‐ふ
武士。武人。軍人。
【武府】 ぶ‐ふ
《武蔵国の国府の意》江戸の異称。
【武辺/武篇】 ぶ‐へん
戦で勇敢に戦うこと。また、その者。転じて、武道に関係する事柄。
【武弁】 ぶ‐べん
《「弁」はかんむりの意》武士。武官。
【武辺立て】 ぶへん‐だて
武勇があるように振る舞うこと。また、その人。
【武辺者】 ぶへん‐もの/しゃ
1 武道に関係する人。また、武勇のある人。ぶへんもの。
2 一郡一城を領するほどの侍大将。〈甲陽軍鑑〉
【武名】 ぶ‐めい
武人としての名声。武勇のほまれ。「―をとどろかす」
【武門】 ぶ‐もん
武士の家筋。武家。「―の名折れ」
【武役】 ぶ‐やく
1 武士としての役目。
2 武家役
【武礼冠】 ぶらい‐かん
即位式、元旦の朝賀などの大儀で、近衛の大・中・少将などの武官が礼服の際に用いた冠。
【武略】 ぶ‐りゃく
戦のかけひき。軍事上の計略。
【武略状】 ぶりゃく‐じょう
戦国時代、陰謀などを企てるとき、同志を集めるのに用いた檄文(げきぶん)。
【武力】 ぶ‐りょく
軍隊の力。兵力。「武力を行使する」「武力革命」
【武烈】 ぶ‐れつ
戦場で立てた手柄。武勲。
【文は武に勝る】
筆の力のほうが剣の力よりすぐれている。
【文事ある者は必ず武備あり】
《「史記」孔子世家から》文と武は両者を兼ね備えなければならず、どちらか一方にかたよってはならないということ。
【文武】 ぶん‐ぶ
《古くは「ぶんぷ」とも》文事と武事。学問の道と武芸の道。文化的な面と軍事的な面。
「文武にすぐれる」「文武百官」
【文武両道】 ぶんぶ‐りょうどう
文事と武事との両方。
「文武両道にたける」
【左文右武】 さぶん‐ゆうぶ = 【右文左武】 ゆうぶん‐さぶ
文と武をともに重んじ尊ぶこと。文武両方を兼ね備えること。
【左武】 さ‐ぶ
武を重んずること。
「右文左武」
【練武】 れん‐ぶ
武術のわざを鍛えること。
【武庫】 ぶ‐こ
武器をおさめる蔵。武器庫。兵器庫。
武器を伏せて使わないこと。戦争がやみ、世の中が治まること。
【元和偃武】 げんな‐えんぶ
《「偃武」は武力を用いない意》元和元年(1615)の大坂夏の陣以後、世の中が太平になったこと。
【演武】 えん‐ぶ
武芸を人前で演じること。また、武芸をけいこすること。
【官武】 かん‐ぶ
1 公卿と武家。また、朝廷と幕府。
2 文官と武官。
【武官】 ぶ‐かん
1 軍事に従事する官吏。旧日本陸海軍では、下士官以上の軍人。Z5192.gif文官。
2 律令制で、武事に携わった官。衛府(えふ)や諸国の軍団に属する官など。
【観戦武官】 かんせん‐ぶかん
交戦国の許可を得て、観戦する第三国の軍人。
【軍部大臣現役武官制】 ぐんぶだいじん‐げんえきぶかんせい
明治憲法下で、陸・海軍大臣を現役の大・中将に限る制度。明治33年(1900)から実施。軍部専制に利用された。
【侍従武官】 じじゅう‐ぶかん
第二次大戦前、天皇に近侍して、編制・統帥など軍事に関する大権の執行を補佐した陸海軍の将校。
【駐在武官】 ちゅうざい‐ぶかん
一定期間外国に駐在する陸・海・空軍武官。ふつう、大使館付き武官をさし、軍事情報の収集などにあたる。
【公武】 こう‐ぶ
公家(くげ)と武家。また、朝廷と幕府。
【公武合体】 こうぶ‐がったい
江戸末期、朝廷と幕府とが一致して外敵の難を処理し、同時に幕府の体制の立て直しを図ろうとした構想。大老井伊直弼(いいなおすけ)の死後、老中安藤信正らが主張、和宮(かずのみや)降嫁が実現したが、のち、戊辰(ぼしん)戦争で討幕派に圧倒された。
【講武】 こう‐ぶ
武道を習うこと。武芸を鍛えること。
【講武所】 こうぶ‐しょ
安政元年(1854)江戸幕府が旗本や御家人に、剣術・槍術(そうじゅつ)・砲術などを講習させるために設けた武道場。初め築地鉄砲洲(てっぽうず)に設けられ、のちに神田小川町に移る。慶応2年(1866)陸軍所の設置に伴って廃止。
【武田】 たけだ
1 姓氏の一。
2 中世、甲斐(かい)の守護・戦国大名の家。清和源氏。源義光の三男義清が甲斐国北巨摩(きたこま)郡武田村に土着してからこの名を称したと伝えられる。
【武田菱】 たけだ‐びし
紋所の名。菱形四つを菱形に組み合わせたもの。甲斐の武田氏の紋。四割菱(よつわりびし)。割菱。
【武田流】 たけだ‐りゅう = 【甲州流】こうしゅう‐りゅう
小幡勘兵衛景憲(かげのり)が創始した兵法の一流派。江戸初期に始まり、武田信玄・山本勘助らの流儀を受け継いだといわれる。信玄流。
【武生】【武生市】 たけふ‐し
福井県にあった市。平成17年(2005)10月、今立町と合併し越前市となった。
【武文蟹】 たけぶん‐がに
《元弘の乱に兵庫の海で死んだ秦武文(はたのたけぶん)が生まれ変わったといわれるところから》ヘイケガニの別名。
【武甕槌神/建御雷神】 たけみかづち‐の‐かみ
日本神話で、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が火神を切り殺したとき、剣に付着した血から化生(けしょう)した神。経津主神(ふつぬしのかみ)とともに、葦原の中つ国に派遣され、国譲りの交渉に成功。また、神武東征においても、天皇の危難を救った。鹿島神宮の祭神。
【東武】 とう‐ぶ
1 武蔵(むさし)国の異称。また、その東部。
2 江戸の異称。
【野伏/野臥】 の‐ぶし
1 山野に寝起きして修行する僧。山伏。
2 (「野武士」とも書く)中世、山野に隠れて、追いはぎや強盗などを働いた武装農民集団。のぶせり。
3 合戦に先だち小人数で攻撃をしかけること。
4 定まった住居もなく野宿すること。また、その者。のぶせり。
【武威】 ぶ‐い
武力の威勢。また、武家の威光。「―を輝かす」「―を示す」
【武運】 ぶ‐うん
戦いの勝ち負けの運命。また、武士・軍人としての運命。「―の長久を祈る」「―つたなく敗退する」
【武衛】 ぶ‐えい
兵衛府(ひょうえふ)の唐名。
【武学】 ぶ‐がく
兵法・武術に関する学問。兵学。
【武頭】 ぶ‐がしら
武家時代、弓組・鉄砲組などを統率する長。物頭(ものがしら)。
【武鑑】 ぶ‐かん
江戸時代、諸大名・旗本の氏名・禄高・系図・居城・家紋や主な臣下の氏名などを記した本。毎年改訂して出版された。「正保武鑑」「江戸鑑」「本朝武鑑」などの類。
【武器】 ぶ‐き
1 戦いに用いる種々の道具や器具。刀や銃などの、敵を攻撃したり自分を守ったりするための兵器や武具。
2 何かをするための有力な手段となるもの。「弁舌を―にする」
【武技】 ぶ‐ぎ
武道に関する技術。武芸。武術。
【武器貸与法】 ぶきたいよ‐ほう
《 Lend-Lease Act 》第二次大戦中、連合諸国に対して武器・軍需品を売却・譲渡・貸与する権限を大統領に与えた、米国の法律。1946年適用中止。
【武器よさらば】 ぶきよさらば
《原題 A Farewell to Arms 》ヘミングウェイの長編小説。1929年刊。第一次大戦中のイタリアを舞台に、アメリカ人中尉ヘンリーとイギリス人看護婦キャサリンとの悲恋を通して、戦争がもたらす悲劇を描く。
【武具】 ぶ‐ぐ
戦いに用いる道具。武器。鎧・兜・槍・刀など。
【武具奉行】 ぶぐ‐ぶぎょう
1 江戸幕府の職名。文久3年(1863)具足奉行が、弓矢槍奉行の職を兼ねて改称したもの。
2 江戸幕府の職名。駿府城・二条城に置かれ、武具を管理した職。
【武勲】 ぶ‐くん
戦場でたてた手がら。武功。「―をたてる」
【武勲詩】 ぶくん‐し
《(フランス) chanson de geste 》中世フランスで作られた英雄叙事詩。「ローランの歌」などカール大帝と封建諸侯の武勲に取材したものが多い。
【武家】 ぶ‐け
1 武士の家筋。武門。また、一般に武士の総称。Z5192.gif公家(くげ)。
2 室町時代、特に幕府あるいは将軍家をいう。
【武芸】 ぶ‐げい
剣・弓・馬・槍・銃砲など、武道に関する技芸。武技。武術。
【武芸者】 ぶげい‐しゃ
武芸を修行する人。また、武芸にすぐれた人。
【武芸十八般】 ぶげい‐じゅうはっぱん
1 中国や日本で武人に必要とされた18種目の武芸。日本ではふつう、弓・馬・槍・剣・水泳・抜刀・短刀・十手(じって)・銑Z6979.gif(しゅりけん)・含針・薙刀(なぎなた)・砲・捕手・柔・棒・鎖鎌(くさりがま)・Z6E08.gif(もじり)・隠(しのび)をいう。→十八般
2 すべての武芸。武芸全般。
【武家華族】 ぶけ‐かぞく
もと武家で、明治維新以後華族となったもの。
【武家方】 ぶけ‐がた
1 武家の人々。武家衆。また、武家の側に味方する人々。
2 南北朝時代の足利方。Z5192.gif宮方(みやがた)。
【武家義理物語】 ぶけぎりものがたり
浮世草子。6巻。井原西鶴作。元禄元年(1688)刊。身を犠牲にしても義理を立てようとする武士の精神を描く。
【武家故実】 ぶけ‐こじつ
武家に関する故実。
【武家時代】 ぶけ‐じだい
武家1が政権を握っていた時代。鎌倉時代から江戸時代末までの約680年間。
【武家衆】 ぶけ‐しゅう
武家の人々。幕府に仕える武士。
【武家諸法度】 ぶけ‐しょはっと
江戸幕府が諸大名を統制するために制定した法令。元和元年(1615)徳川家康の命により2代将軍秀忠のときに発布された13箇条が最初。その後必要に応じて改訂された。城の修築や婚姻・参勤交代などについて規定。
【武家政治】 ぶけ‐せいじ
武家が政権を掌握して行う政治。一般に、征夷大将軍が幕府を開いて行った鎌倉・室町・江戸の3時代の政治をいう。
【武家造(り)】 ぶけ‐づくり
武家住宅の建築様式。のちの書院造りの祖形と考えられるが実例がないので詳細は不明。
【武家伝奏】 ぶけ‐てんそう
《「ぶけでんそう」とも》室町・江戸時代の朝廷の職名。諸事にわたり、武家との連絡にあたる役。江戸時代には定員2名で関白に次ぐ要職。納言・参議から選ばれた。伝奏。
【武家法】 ぶけ‐ほう
武家が政治的権力を掌握していた時期の法体系。はじめ武士間の慣習法として成立、鎌倉幕府の御成敗式目で成文法として確立。戦国大名は分国法を制定してそれぞれの領国を支配、江戸幕府は禁中並公家諸法度・武家諸法度などを制定して封建制度維持の基とした。
【武家奉公】 ぶけ‐ぼうこう
武士の家に召し使われること。
【武家名目抄】 ぶけみょうもくしょう
江戸後期の有職故実書。381冊。塙保己一(はなわほきいち)編。保己一の死後、中山信名・松岡辰方が継承、和学講談所により万延元年(1860)ごろ完成。武家の有職故実に関する名目を職掌・制度・衣服など16の部門に分類。各項ごとに引例・考証を加えたもの。
【武家物】 ぶけ‐もの
浮世草子で、武家生活に題材を取ったもの。井原西鶴の「武道伝来記」「武家義理物語」など。
【武家役】 ぶけ‐やく
中世、将軍が御家人・奉公衆に課した課役。番役・軍役のほか、段銭・棟別銭など出銭を課することもあった。
【武家屋敷】 ぶけ‐やしき
戦国時代以後、城下町で武士が主君から与えられて住んだ屋敷。
【武功】 ぶ‐こう
戦いであげた手柄。武勲。軍功。
【武甲】 ぶ‐こう
武蔵(むさし)国と甲斐(かい)国。甲武。
【武江】 ぶ‐こう
武蔵国江戸の意。
【武甲山】 ぶこう‐ざん
埼玉県西部の山。秩父市と秩父郡横瀬町の境にある。古来信仰の山。石灰岩採掘が行われ、山体が破壊。かつての標高は1336メートル。
【武左】 ぶ‐ざ
《「武左衛門」の略》田舎侍をあざけっていう語。特に遊里で、やぼな武士についていう。
【武左めく】 ぶざ‐め・く
[動カ四]武左(田舎侍)のような、やぼな振る舞いをする。
【武州】 ぶ‐しゅう
武蔵(むさし)国の異称。
【文事】 ぶん‐じ
学問・文芸などに関する事柄。
【武事】 ぶ‐じ
武芸や戦争などに関する事柄。
【武州一揆】 ぶしゅう‐いっき
慶応2年(1866)武蔵国で起こった一揆。6月13日同国秩父郡上名栗村で蜂起、19日に壊滅。「世直し」を掲げた貧農らにより豪農層に対する打ちこわしが行われた。武州世直し一揆。
【武術】 ぶ‐じゅつ
剣・弓・馬・槍など、武士として戦うのに必要な技術。武芸。武技。
【武将】 ぶ‐しょう
武士の大将。また、武道にすぐれた将軍。「戦国―」
【武臣】 ぶ‐しん
武事をもって君主に仕える家臣。
【武神】 ぶ‐しん
武道をつかさどり、武運を守護する神。いくさがみ。
【武人】 ぶ‐じん
武士。軍人。いくさびと。
【武相】 ぶ‐そう
武蔵国と相模国。
【武鯛/不鯛】 ぶ‐だい
スズキ目ブダイ科の海水魚。全長約60センチ。体は長楕円形で側扁し、うろこが大きく、くちばし状の強い歯をもつ。体色は緑褐色で、雄は青みを、雌は赤みを帯びる。本州中部以南の沿岸の岩礁域に分布。食用。いがみ。《季 冬》
【武太刀】 ぶ‐たち
戦陣で用いる太刀。
【文治】 ぶんち
武力によらず、教化・法令などによって世を治めること。
【武断】 ぶ‐だん
武力をもって政治を行うこと。物事を力で処理すること。
【武断主義】 ぶだん‐しゅぎ
武力をもって事を解決しようとする主義。
【武断政治】 ぶだん‐せいじ
1 武力をもって行う政治。
2 特に江戸初期、3代将軍家光までの政治支配のありかた。
【武断派】 ぶだん‐は
武力をもって政治を行おうとする立場の人。
【武闘】 ぶ‐とう
武力で相手と戦うこと。「武闘路線」
【武道】 ぶ‐どう
1 武士として身につけるべき技。武芸。武術。
2 武士として守るべき道。武士道。
【武道方】 ぶどう‐がた
歌舞伎の役柄の一。立役(たちやく)のうち、特に武術にすぐれた勇壮な役。
【武道伝来記】 ぶどうでんらいき
浮世草子。8巻。井原西鶴作。貞享4年(1687)刊。諸国の敵討ち32話を集めたもの。
【武徳】 ぶ‐とく
1 武士として守るべき徳義。また、武士の威徳。
【武徳殿】 ぶとく‐でん
1 平安京大内裏の殿舎の一。右近衛府の東にあり、騎射・競べ馬などのときに天皇がこの殿舎で観覧した。弓場殿(ゆばどの)。
2 明治28年(1895)京都の平安神宮の境内に建てられた大日本武徳会の演武場。現在は廃止。
【武徳門】 ぶとく‐もん
平安京内裏内郭十二門の一。西面し、陰明門の南にあった。
【武の舞】 ぶ‐の‐まい
舞楽の舞姿のうえからの分類の一。剣や鉾(ほこ)・盾を持って勇壮に舞う。散手(さんじゅ)・陪臚(ばいろ)・太平楽など。<->文の舞。
【武張る】 ぶ‐ば・る
[動ラ五(四)]強く勇ましそうなようすを帯びる。また、堅苦しくいかめしいようすをする。
「武張った物言い」
【武備】 ぶ‐び
戦争に対する備え。軍備。兵備。
【武夫】 ぶ‐ふ
武士。武人。軍人。
【武府】 ぶ‐ふ
《武蔵国の国府の意》江戸の異称。
【武辺/武篇】 ぶ‐へん
戦で勇敢に戦うこと。また、その者。転じて、武道に関係する事柄。
【武弁】 ぶ‐べん
《「弁」はかんむりの意》武士。武官。
【武辺立て】 ぶへん‐だて
武勇があるように振る舞うこと。また、その人。
【武辺者】 ぶへん‐もの/しゃ
1 武道に関係する人。また、武勇のある人。ぶへんもの。
2 一郡一城を領するほどの侍大将。〈甲陽軍鑑〉
【武名】 ぶ‐めい
武人としての名声。武勇のほまれ。「―をとどろかす」
【武門】 ぶ‐もん
武士の家筋。武家。「―の名折れ」
【武役】 ぶ‐やく
1 武士としての役目。
2 武家役
【武礼冠】 ぶらい‐かん
即位式、元旦の朝賀などの大儀で、近衛の大・中・少将などの武官が礼服の際に用いた冠。
【武略】 ぶ‐りゃく
戦のかけひき。軍事上の計略。
【武略状】 ぶりゃく‐じょう
戦国時代、陰謀などを企てるとき、同志を集めるのに用いた檄文(げきぶん)。
【武力】 ぶ‐りょく
軍隊の力。兵力。「武力を行使する」「武力革命」
【武烈】 ぶ‐れつ
戦場で立てた手柄。武勲。
【文は武に勝る】
筆の力のほうが剣の力よりすぐれている。
【文事ある者は必ず武備あり】
《「史記」孔子世家から》文と武は両者を兼ね備えなければならず、どちらか一方にかたよってはならないということ。
【文武】 ぶん‐ぶ
《古くは「ぶんぷ」とも》文事と武事。学問の道と武芸の道。文化的な面と軍事的な面。
「文武にすぐれる」「文武百官」
【文武両道】 ぶんぶ‐りょうどう
文事と武事との両方。
「文武両道にたける」
【左文右武】 さぶん‐ゆうぶ = 【右文左武】 ゆうぶん‐さぶ
文と武をともに重んじ尊ぶこと。文武両方を兼ね備えること。
【左武】 さ‐ぶ
武を重んずること。
「右文左武」
【練武】 れん‐ぶ
武術のわざを鍛えること。
【武庫】 ぶ‐こ
武器をおさめる蔵。武器庫。兵器庫。
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