武者】 むしゃ・むさ
1 武芸に携わることを任務とする人。また、その集団。武士。むさ。
2 =「武者所
武者所】 むしゃ‐どころ
1 院の御所を警備する武士の詰め所。また、その武士。
2 建武政府が設置した京都の警備機関。新田氏一族を中心に64人の武士で構成。

鎧武者】 よろい‐むしゃ
  鎧・兜をつけた武者。
具足武者】 ぐそく‐むしゃ
  鎧や兜をつけた武者。
母衣武者】 ほろ‐むしゃ
  鎧の背に母衣をつけた武者。母衣懸け武者。
素肌武者】 すはだ‐むしゃ
  甲冑(かっちゅう)をつけないで戦場に出る武者。素肌者。

荒武者】 あら‐むしゃ
1 荒々しい武者。勇猛な武士。
2 乱暴とみえるほどに意気盛んな者。がむしゃらな者。
  「政界の荒武者」
鮟鱇武者】 あんこう‐むしゃ
  大言壮語するくせに臆病な武者をあざけっていう語。あんこうざむらい。
田舎武者】 いなか‐むしゃ = 【田舎侍】 いなかざむらい
  田舎在住または出身の、態度・身なりなどのやぼな侍。また、粗野粗暴な侍を卑しめていう語。田舎武者。田舎武士。いなかさぶらい。
猪武者】 いのしし‐むしゃ
1 向こうみずに敵中に突進する武士。
2 状況を考えないで、がむしゃらに事を行う人。
威武】 い‐ぶ
  威力と武力。勢いが盛んで強く勇ましいこと。武威。
  「天下に威武を示す」
院の武者所】 いん‐の‐むしゃどころ
  院の御所に仕え、警固に当たった職。また、その人。
若武者】 わか‐むしゃ
  年若い武者。
老い武者】 おい‐むしゃ
1 老いた武士。
2 老練な武者。
落ち武者】 おち‐むしゃ
  戦いに負けて逃げてゆく武者。
落ち武者は薄の穂に怖ず
  落ち武者はおびえているので、ちょっとしたことにも怖がる。怖いと思えば、何でもないものまで、すべて恐ろしく感じることのたとえ。落ち武者は薄の穂に恐る。
鬼武者】 おに‐むしゃ
  勇猛な武士。荒武者。
影武者/陰武者】 かげ‐むしゃ
1 敵の目を欺くために、大将などと同じ服装をさせた身代わりの武者。
2 陰にあって、表面にいる人の働きを助ける人。または、表面の人を操る人。黒幕。
徒武者】 かち‐むしゃ
  馬に乗らない、徒歩の兵士。雑兵。
我武者】 が‐むしゃ
  [名・形動]見境がなく乱暴なこと。向こう見ずなこと。また、そういう人やさま。
我武者羅】 がむしゃ‐ら
  [名・形動]後先を考えないで強引に事をなすこと。また、そのさま。
  「我武者羅な攻め方」「我武者羅に働く」
駆り武者】 かり‐むしゃ
  諸方から臨時にかり集められて、統制の十分とれていない武士。
木の葉武者】 このは‐むしゃ
  取るに足らない弱い雑兵をののしりあざけっていう語。こっぱざむらい。
端武者/葉武者】 は‐むしゃ
  身分の低い、取るに足りない武者。雑兵。木端武者(こっぱむしゃ)。
坂東武者】 ばんどう‐むしゃ
  関東出身の武士。関東武士。
一人武者】 ひとり‐むしゃ
  ぬきんでて強い武者。
武者絵】 むしゃ‐え
  武者の姿や合戦のありさまを描いた絵。
法師武者】 ほうし‐むしゃ
  僧形(そうぎょう)の武士。僧兵。
武者押し】 むしゃ‐おし
  武者が隊を組んで進んで行くこと。
武者返し】 むしゃ‐がえし
  武家屋敷で、表長屋の外溝の縁に一歩置きに立てた石。
武者隠し】 むしゃ‐がくし
  書院造りの帳台構え、またはそれに続く部屋。警固の武者を控えさせたといわれる。
武者組】 むしゃ‐くみ
  昔の軍隊の編制法。武士集団の組織・指揮系統。
武者言葉/武者詞】 むしゃ‐ことば
  戦国時代、武士社会で使用された言葉。また、戦場で武士が使用した言葉。
武者修行】 むしゃ‐しゅぎょう
1 武士が武芸の修行のために諸国を巡って歩くこと。
2 学問や技芸の修行のため、よその土地や外国へ行くこと。
武者草子】 むしゃ‐ぞうし
  武者絵をつづった草子。
武者草鞋】 むしゃ‐わらじ = 【武者草履】 むしゃ‐ぞうり = 【ごんず草鞋】 ごんず‐わらじ
  乳とひもとを布で作ったわら草履。子供が用いた。跡付け草履。武者わらじ。権蔵(ごんぞう)。
武者揃へ】 むしゃ‐ぞろえ
  軍勢を整えること。せいぞろえ。
武者大将】 むしゃ‐だいしょう
  戦国時代、戦場で武士を指揮する武家の職名。
武者溜まり】 むしゃ‐だまり
  軍勢の集合用に、城門の近くに設けられた広場。
武者人形】 むしゃ‐にんぎょう
  5月の端午(たんご)の節句に飾る武者姿の人形。兜(かぶと)人形。五月人形。《季 夏》
武者小路千家】 むしゃのこうじ‐せんけ
  千家流茶道の分派の一。千宗旦の次男一翁宗守が、京都武者小路で官休庵1世を称したのに始まる。
武者走り】 むしゃ‐ばしり
1 城壁や城のまわりの土手の内側に設けた通路。また、天守閣の各層の外壁の内側に設けられた通路。
2 軍船の舳(へさき)から艫(とも)に通じる板縁。
3 江戸初期の劇場の舞台の橋懸かり。
武者奉行】 むしゃ‐ぶぎょう
  戦国時代、兵士を統率して軍の指揮をつかさどった役。
武者振り】 むしゃ‐ぶり
1 武士が鎧・兜をつけた雄々しい姿。
2 武士にふさわしい態度や行動。
武者震い/武者振るい】 むしゃ‐ぶるい
  [名](スル)戦いや重大な場面に臨んで、興奮のためにからだが震えること。
  「スタートラインに立って、思わず武者震いする」
武者窓】 むしゃ‐まど
  武家屋敷で、表長屋の外壁に設けた、太い縦または横の格子の入った窓。武家窓。