甲状腺
「甲状腺」
喉頭の下方、気管の前方にある蝶形の内分泌腺。甲状腺ホルモンを分泌して物質代謝を促し、身体の成熟を促進させる。
「甲状腺機能亢進症」
甲状腺の機能が異常に亢進した状態。血中の甲状腺ホルモンが過剰となり、それによる症状が現れる。バセドー病はその代表。甲状腺ホルモン過剰症。
「甲状腺機能低下症」
甲状腺の機能が低下した状態。血中の甲状腺ホルモンが減少し、それによる症状が現れる。乳幼児期のクレチン病、大人では粘液水腫となる。甲状腺ホルモン過少症。
「甲状腺刺激ホルモン」
脳下垂体の前葉から分泌されるホルモン。甲状腺ホルモンの生成・分泌を促す。TSH。
「甲状腺腫」 ~しゅ
甲状腺に腫れが生じている状態。
「甲状腺ホルモン」
甲状腺で生成・分泌されるホルモン。沃素(ようそ)を多く含む。甲状腺から分泌されるホルモンには物質代謝を促す作用をするチロキシン・トリヨードチロニンや、血液中のカルシウム濃度を低下させるカルシトニンがある。
「副甲状腺」
甲状腺の後ろ側にふつう二対4個ある米粒状の内分泌腺。副甲状腺ホルモンを分泌する。上皮小体。
「副甲状腺ホルモン」
副甲状腺から分泌されるホルモン。血液中のカルシウムの濃度を維持する作用があり、骨に働いてカルシウムを放出させ、腎臓に働いてその再吸収を亢進(こうしん)させる。パラソルモン。上皮小体ホルモン。
地名
「甲信越」
甲斐・信濃・越後の3国を併せた呼び名。
「甲武信岳」
山梨・埼玉・長野の3県境にある秩父(ちちぶ)山地の高峰。標高2475メートル。甲斐・武蔵・信濃の国境にあるところからの名。甲武信ヶ岳。
「武甲」
武蔵国と甲斐国。甲武。
「武甲山」
埼玉県西部の山。秩父市と秩父郡横瀬町の境にある。古来信仰の山。石灰岩採掘が行われ、山体が破壊。かつての標高は1336メートル。
「六甲山」
兵庫県神戸市の北部にある、六甲山地の主峰。標高931メートル。観光・保養地として知られる。もと武庫の山で、のちに六甲の字を当てて音読したもの。
「八甲田山」
青森県中部の火山群。十和田湖の北にあり、最高峰の標高1584メートルの大岳をはじめ、小岳・横岳・櫛ヶ峰・駒ヶ峰・乗鞍山などが連なる。温泉も多い。
「甲斐」 かい
1 旧国名の一。現在の山梨県にあたる。甲州。
2 =「甲斐市」 山梨県中西部、釜無川東岸にある市。武田信玄が築いた信玄堤の遺構がある。江戸時代には綿花栽培が盛んで、現在はぶどうなど果樹栽培のほか、電子産業も発達。平成16年(2004)竜王町、敷島町、双葉町が合併して成立。人口7.2万。
「甲斐犬」
日本犬の一。山梨県の原産。中形で、体高約45センチ、毛色は虎毛。元来は猟犬で、動作が敏捷。かいけん。
「甲斐ヶ嶺・甲斐ヶ根」
甲斐にある高山。赤石山脈の主峰、白根山のこと。甲斐の白根。[歌枕]
「甲斐駒ヶ岳」
山梨・長野県境にある駒ヶ岳の通称。甲斐駒。
「甲斐神頭」
シソ科の多年草。山地に生え、高さ20~40センチ。茎は赤紫色を帯び、全体に白い毛を密生する。葉は卵形で、対生。初夏、紅紫色の花を穂状につける。名は、甲斐に産するリンドウの意という。甲斐神草。
「秩父多摩甲斐国立公園」
東京・埼玉・山梨・長野の一都3県にまたがる国立公園。森林と渓谷の景勝に富み、奥多摩湖・日原鍾乳洞・秩父湖・昇仙峡などがある。
「甲州」
1 甲斐(かい)国の異称。
2 =「甲州市」 山梨県北東部にある市。大菩薩峠をかかえる山岳地帯から南西に甲府盆地が広がる。ブドウ・ワインの生産が盛ん。平成17年(2005)11月、塩山市・勝沼町・大和村が合併して成立。人口3.7万。
「甲州金」 こうしゅうきん
=「甲金」 甲斐国で鋳造され、甲斐一国に限って通用した金貨。戦国時代、武田氏が鋳造し、江戸末期まで流通した。
→「古甲金」 甲州金のうち、元禄(1688~1704)以前に鋳造されたもの。以後のものを新甲金という。
「甲州法度」
戦国時代、武田信玄が制定した分国法。正しくは、甲州法度之次第。領国内の秩序維持のため、地頭の職権などを規定。信玄家法。
「甲州枡」 こうしゅうます
江戸時代、甲州で使用された枡。容積は京枡の約3倍。武田氏以来の枡という。
「甲州流」
小幡勘兵衛景憲(かげのり)が創始した兵法の一流派。江戸初期に始まり、武田信玄・山本勘助らの流儀を受け継いだといわれる。信玄流。武田流。
「甲州タバコ」
甲州産のタバコ。竜王。
「甲州葡萄」
1 山梨県の甲府市・甲州市を中心とする地方で産出するブドウの総称。
2 ブドウの一品種。甲府盆地の特産。果実は明るい紫褐色で、甘味が強い。12世紀ごろ、中国から移入したといわれ、日本で最も古くから栽培。《季 秋》
「甲州街道」 こうしゅうかいどう
五街道の一。江戸の日本橋から内藤新宿(新宿の古称)を経て甲府に至り、さらに下諏訪(しもすわ)で中山道と合する。甲州道中。
「甲府」 = 「甲府市」
山梨県中央部の市。県庁所在地。戦国時代に武田信玄の城下町として発達、また甲州街道最大の宿場町として栄え、のち江戸幕府の直轄領となった。昭和初
期までは養蚕・製糸で知られた。ワイン・水晶細工などを産する。平成18年(2006)3月、中道町・上九一色(かみくいしき)村北部を編入。人口
20.0万。
「甲府城」
甲府市にあった城。天正11年(1583)、徳川家康が築城を開始。途中浅野長政らが引き継ぎ、慶長5年(1600)完成。舞鶴城。
「甲府盆地」
山梨県中央部、甲府市を中心とする盆地。ブドウ・桃の産地。
「甲府勤番」
江戸幕府の職名。老中の下に属し、幕府直轄の甲府城警固に当たった。多く小普請組から任じられ、のちには江戸から左遷された者が命じられた。
「甲府勤番支配」
江戸幕府の職名。甲府に在住し、甲府勤番の職務を統轄し、府中の一切の政務をつかさどった。
「甲賀」 こうか・こうが = 「甲賀市」
滋賀県南端、鈴鹿山脈西麓にある市。野洲川などの原流域で、琵琶湖の水源のひとつ。信楽焼や水口細工など独自の工芸品が有名。平成16年(2004)水口町、土山町、甲賀町、甲南町、信楽町が合併して成立。人口9.5万。
「甲賀者」 こうがもの = 「甲賀衆」 こうがしゅう
近江(おうみ)甲賀地方の郷士。忍びの術に長じ、一部は江戸幕府や諸大名に召し抱えられた。
「甲賀組」
江戸幕府の鉄砲百人組4隊のうち、甲賀者で組織した組。
「甲賀三郎」
諏訪明神の本地として、また近江国水口の大岡寺の観音堂縁起として語り継がれた説話。また、その主人公。
「甲比丹・甲必丹」 captain
1 江戸時代、長崎のオランダ商館の館長の称。
2 江戸時代、日本にやって来たヨーロッパ船の船長。
3 縦糸に色糸、横糸に白糸を用いた縞の絹織物。1が将来したもの。
「甲源一刀流」
江戸後期の秩父の郷士逸見義年を開祖とする一刀流の流派。その先祖新羅三郎義光の三男三郎義清が甲斐源氏の祖であったところからいう。
「甲宗八幡神社」
北九州市門司区にある神社。祭神は応神天皇・神功皇后(じんぐうこうごう)ほか三神。神体は、神功皇后が三韓出兵のときに着けた甲(よろい)という。貞観2年(860)の創建と伝えられる。
「勾配海気」
太い糸を織り込んで、縞や格子状の盛り上がった線をあらわした絹織物。◆「紅梅甲斐絹」「高配甲斐絹」とも書く。
「甲南大学」
神戸市東灘区にある私立大学。大正7年(1918)設立の甲南中学校に始まり、甲南高等学校を経て、昭和26年(1951)新制大学として発足。
「甲陽軍鑑」
江戸初期の軍学書。20巻。武田信玄の臣、高坂昌信の著述というが、小幡景憲編纂説が有力。信玄を中心とし、甲州武士の事績・心構え・理想を述べたもの。
「原田甲斐」
[1619~1671]江戸前期の仙台藩士。名は宗輔(むねすけ)。伊達安芸宗重との争いから、大老酒井忠清邸で宗重を斬(き)り、みずからも斬られた。伊達騒動の中心人物として、歌舞伎・浄瑠璃に登場する。
「谷甲州」
[1951~ ]小説家。兵庫の生まれ。本名、谷本秀喜。青年海外協力隊としてネパール在勤中に作家デビュー。航空宇宙軍史シリーズなどのSFのほか、山岳小説シリーズもある。「火星鉄道一九」「終わりなき索敵」「白き嶺の男」など。
「鳥兜・鳥甲」
1 舞楽の襲装束に用いるかぶり物。鳳凰の頭をかたどり、厚紙に金襴・紅絹などをかぶせて作る。曲により形式・色彩などが異なる。
2 キンポウゲ科の多年草。高さ約1メートル。葉は手のひら状に深く裂けている。秋、深紫色の冠状の花が集まって咲く。また、ハナトリカブトなどを含め、トリカブト属の総称。塊根は猛毒であるが、漢方では主根を烏頭、側根を附子といい、神経痛・リウマチなどの鎮痛薬に用いる。かぶとぎく。かぶとばな。
「鈍甲」
1 カワアナゴ科の淡水魚。川・池・沼にすみ、全長約15センチ。体形はハゼ形で頭部は扁平。体色に変異が多い。本州中部以南に分布。美味。いしぶし。
2 チチブ・カジカ・イタチウオの別名。
「保甲法」
中国、北宋の王安石の新法の一。傭兵に代わる兵農一致政策で、10戸を保、5保を大保、10大保を都保とし、軍事訓練を施し、警防の任に当たらせた。保甲。
「里甲制」
中国、明代から清代初頭にかけて行われた地方村落の自治制度。1381年制定。110戸を1里とし、そのうち富裕な10戸を里長、残りの100戸を甲首戸として10戸ずつ10甲に分け、毎年輪番で1里長と10甲首の正役となり、租税徴収・治安維持などにあたった。
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