高声

上下甲乙」 かるめる
  邦楽で、高い調子の「かる」と低い調子の「める」。かりめり。めりかり。
乙甲減上」 めりかり

  《邦楽で、基本の音より音高が下がったものを「めり」、上がったものを「かり」というところから》

1 音の高低。抑揚。

2 音声に抑揚をつけること。めりはり。


甲声」 かんごえ
  かん高い声。高くひびく声。
甲高疳高」 かんだか
  声が甲高いさま。
甲高い疳高い」 かんだかい
  声の調子が高く鋭い。
  「甲高い声で叫ぶ
甲走る癇走る」 かんばしる = 「甲張る」 かんばる
  声が、きんきんと高く響く。
  「甲走った声
甲張り声」  かんばりごえ
  甲高い声。

「胛」の代用字

肩甲骨肩胛骨」 けんこうこつ
  左右の肩にあって、腕の骨と胴をつなぐ逆三角形の大きな骨。かいがらぼね。


勘所甲所肝所
1 三味線などで、音調を整えるために指で弦を押さえるところ。つぼ。
2 はずすことのできない大事なところ。肝心なところ。急所。「勘所を心得た仕事ぶり

甲立て紙立て」 こうだて
  《「かみたて(紙立て)」の変化した語という》
  正式の供応のとき、折敷など食膳の盛り物の周囲に、種々の形に折って立てる紙。饗立て。
 
箕甲」 切妻屋根や入母屋屋根で、破風ぎわの曲面をなす部分。

甲斐

甲斐」 かい
1 行動の結果として現れるしるし。努力した効果。
  「我慢した甲斐があった
2 期待できるだけの値うち。
  「生きている甲斐がない
甲斐」 がい
1 動詞の連用形や動作性の名詞などに付いて、その行為をした効果・効験の意を表す。
  「生き甲斐」「働き甲斐
  「努力の甲斐が現れる」 显出努力的效果
  「行ってみた甲斐があった」 没白跑一趟
  「薬石甲斐なく、本日なくなった」 医治无效,今日去世
2 主として人間関係を表す名詞に付いて、その人間関係の効果を発揮する意を表す。…としてのよしみ。
  「友達甲斐」 友情、够朋友 
  「それじゃ友達甲斐がないじゃないか。」 那可太不够朋友了
3 打消しや希望の助動詞などに付いて、動作や状態の程度を表す。

  「骨を折った甲斐がなかった」 白费劲了 
言い甲斐
  言葉に出して言うだけの価値。
  「素直に聞き入れるので言い甲斐がある
言ひ甲斐無し
1 取り立てて言うだけの値打ちがない。つまらない。
2 不甲斐無い。意気地がない。
言ふ甲斐無し
1 言ってもその効果がない。
2 言ってみても取り返しがつかない。特に、死ぬことを遠回しにいう。
3 言うだけの値打ちがない。言うに足りない。
4 見苦しい。ふがいない。 = 「言ひ甲斐無し
生き甲斐
  生きるに値するもの。生きていくはりあいや喜び。人生的意思、生活的价值
  「生き甲斐を見いだす

  「息子の成長だけが彼の生き甲斐だ。」 儿子的成长是他人生的唯一意义。
甲斐甲斐しい
1 動作などがいかにも手ぎわよく、きびきびしているさま。
  「甲斐甲斐しく立ち働く」「甲斐甲斐しいエプロン姿
  「甲斐甲斐しいいでたち」 利落的打扮
2 骨身を惜しまずに仕事に打ち込むさま。けなげだ。
  「甲斐甲斐しく看病する
  「若い女性が甲斐甲斐しく立ち働く」 年轻女人勤快地干活
  「甲斐甲斐しく病人を看護する」 勤快地护理病人
3 効果がはっきり現れるさま。物事が期待どおりになるさま。
4 頼りがいのあるさま。頼もしいさま。
死なず甲斐不死甲斐
  《近世語》死なずに住んだのが幸いというほどの、ひどい仕打ちにあうさま。
頼り甲斐
  頼りにするだけのねうち。頼っただけの効果。值得信赖的。
  「さすが頼り甲斐のある先輩だ
友達甲斐
  友人に値するだけの価値。友人としてふさわしい付き合い。
人甲斐
  人としての生きがい。人間らしいしるし。
年甲斐
  与年龄相衬的言谈举止。

  年齢にふさわしい思慮や分別。
  →「年甲斐もない」 年齢にふさわしくなく愚かである。

    「年甲斐も無く派手なけんかをしてしまった
    「年甲斐も無くすぐかっとなる」 年纪之么大了动不动就发火
甲斐無い

1 何かをしただけの効き目、効果が現れない。何をした所でどうする事もできない。むだだ。没有成效

  「後悔してみても、甲斐無いことだ

2 値うちがない。取るに足らない。没有价值

  「生きていても甲斐無い命だ

3 意気地がない。ふがいない。かいしょうがない。不成器、没志气

甲斐性」 かいしょう・かいしょ

  物事をやり遂げようとする気力、根性。また、働きがあって頼もしい気性。多く、経済的な生活能力をいう。

  「甲斐性のある息子
  →「甲斐性無し

    意気地のないこと。頼りにならないこと。また、その人。かいしょなし。

    没志气的,不求长进的,没出息的,窝囊的

    「いつまでも親のすねをかじる甲斐性無し
腑甲斐無い不甲斐無い
  不中用、没出息、没志气、窝囊、不争气
  情けないほど意気地がない。まったくだらしがない。
  「零敗とは不甲斐無い
  「不甲斐無い男」  没出息的男人,窝囊废
  「自分ながら不甲斐無いと思っている」  连(我)自己都觉得很窝囊
  「肝心な時に逃げ出すなんて不甲斐無いやつだ」 在最要紧的时候逃跑,真是没出息