退る」 しさる  前を向いたまま後ろへ下がる。後ずさりする。
後退り」 あとじさり = 「後ずさり」 + 他の意味
後退る」 あとじさる = 「後ずさる
飛び退る跳び退る」 とびしさる すばやく後ろへさがる。
退り馬」 しざいうま  後ずさりする癖のある馬。〈日葡〉



退る」  すさる
  後ろへさがる。しりぞく。
後退り」 あとずさり
1 恐れたり警戒したりして、前を向いたまま少しずつ後退すること。あとじさり。
  「犬に出くわして、思わず後退りした
2 ためらって消極的になること。あとじさり。
後退る」 あとずさる
1 驚きや恐れなどのために、前を向いたままうしろへさがる。あとじさる。
  「用心しながらゆっくりと後ずさる
2 ためらって消極的になる。あとじさる。
  「後ずさって会長職を引き受けない


退く」 そく
1 遠く離れる。遠ざかる。
2 遠く離す。遠ざける。
退き」 そき
  遠く離れた場所。遠隔の地。果て。
漕ぎ退く」 こぎそく
  舟を漕いで押しのける。
退き方」  そきえ =「退く方退く辺」 そくえ
  遠く離れたあたり。



退く」 しりぞく = 「退く」 しぞく
1  後方へ下がる。後ろへのく。あとじさる。「大またで三歩退く」 ⇔「進む
2 
 ①貴人・目上の人の前を離れて出て行く。退出する。また、その場所から去る。
  「御前を退く」「控えの間に退いて待つ
 ②試合などで、敗れてそこからいなくなる。
  「初戦で退く
3 官職などを辞める。引退する。
  「現役を退く」「政界から退く
4 (多く「しりぞいて」の形で用いる)置かれている状況を離れる。
  「一歩退いて考える
5 譲歩する。引き下がる。
  「自説を固持して一歩も退かない
退ける斥ける」 しりぞける
1 後方へ下がらせる。引き下がらせる。その場から遠ざける。
  「通訳を退けて会談する
2 こちらに向かって来るものを負かしたり、寄せつけず追い返したりする。撃退する。
  「攻め来る敵を退ける」「凡打に退ける」「誘惑を退ける
3 申入れ・主張などを受け入れないで、拒む。
  「審議会の勧告を退ける」「控訴を退ける判決
4 職や地位を辞めさせる。
  「反対派を役員から退ける



退く」 どく
  いる場所を動いて、そこをあける。のく。
  「早く退いてくれ
退ける」 どける
  場所をあけるために、そこにあったものを他の場所へ移す。のける。どかす。
  「故障車を退ける
退かす」 どかす
  物や人を他の場所へ移して場所をあける。のかせる。
  「障害物を退かす



引く曳く牽く
(「退く」とも書く)出ているものが遠くへ去る。しりぞく。
① 向こうへ離れる。「潮が退く
② 元のような状態にもどる。「水が退く」「熱が退く
③ うせる。なくなる。「痛みが退く」「血の気が退く
④ 縁を切る。関係を断つ。「事件から手を退く
⑤ 引退する。「現役を退く」「舞台を退く


引ける
(「退ける」とも書く)
  その日の勤め・授業などが終わる。仕事などが終わってひきあげる。
  「会社は五時に退ける」「学校が退ける


引け
(「退け」とも書く)
  その日の勤務が終わって退出すること。
  「退けの時間になる

引け時退け時
  その日の勤務・課業などが終わって退出する時刻。
  「オフィス街の退け時


引き際退き際

  それまでの地位・立場などから退くときの時期や身の処し方。ひけぎわ。

  「引き際が悪い」「引き際が肝心だ

引け際退け際

1 1日の勤務などが終わって退出する直前。ひけどき。

2 地位・職務などから身を引くまぎわ。ひきぎわ。

3 取引所で、大引けに近い時分。また、そのころの相場。


早引き早退き

1 =「早引け」 「風邪で早退きする

2 (早引き)言葉や文字などを早く引き出すこと。また、早く引けるように作られた辞書や索引など。

  「早退き難字難読辞典


早引け早退け

  定刻より早く勤務先や学校などを退出すること。早退。はやびき。

  「急用で早退けする


淵に臨みて魚を羨むは退いて綱を結ぶに如かず
ふちにのぞみて・うおをうらやむ・は・ひいて・つなをむすぶに・しかず
《「漢書」董仲舒伝から》
  岸辺に立って魚が欲しいとただ眺めているよりは、家に帰って魚を捕る網を編んだほうがいい。
  具体的に努力すべきであるという戒め。



身を退く
  これまでの地位などから離れる。引退する。
  「現役から退く


三度諫めて身を退く」 みたびいさめて・みをひく
《「礼記」曲礼下から》
  何度いさめても主君が聞き入れないときは、いさぎよく辞職する。
  三谏不从则奉身而退



退出音声罷出音声
  雅楽で、楽人・舞人が退出するときに演奏される音楽。舞楽の会では「長慶子」が演奏される。
参入音声
  雅楽で、楽人・舞人が所定の位置へ着くまでの間に奏する音楽。道楽の一種で、現在は久米舞・東遊などにみられる。