甲壳类
「甲殻」 = 「甲皮」
甲殻類の体表を覆う外皮。キチン質の層にカルシウムを含み、硬い。甲皮。甲。
「甲殻類」
甲殻綱の節足動物の総称。エビ・カニ・ヤドカリ・アミ・ミジンコなど。主に水中にすみ、えらで呼吸。体は頭・胸・腹の3部に分かれ、胸部の付属肢は歩行・捕食または遊泳に、腹部の付属肢は遊泳または哺育(ほいく)に使われる。
「甲羅」
1 《「ら」は接尾語》カメ・カニなどの背中の部分を覆う硬い殻。甲。
2 人の背中。
3 《「功」「劫」にかけて》年の功。長い経験。
「甲羅干し」
腹ばいになって背中を日光に当てること。日光浴。
「甲羅蒸し」
カニの甲羅に、ほぐしたカニの身や野菜・卵黄などを調味して詰め、蒸したもの。《季 冬》
「甲羅を干す」
甲羅干しをする。
「蟹は甲羅に似せて穴を掘る」
《カニは自分の大きさに合わせて穴を掘るところから》
人はその身分や力量にふさわしい言動をしたり、望みを持ったりするということのたとえ。
「甲羅が生える」 こうらがはえる
長年の経験から要領よくなったり、ずるくなったりする。
「甲羅が生えた古参社員」
「甲羅を経る」
年功を積む。熟練する。また、世間ずれしてずうずうしくなる。劫ろうを経る。
「亀甲」 きこう・きっこう
1 亀の甲。
2 「亀甲形」の略。
3 紋所の名。亀の甲をかたどったもの。
4 括弧の一。〔 〕の形。
「亀の甲」 かめのこう
1 亀のからだを覆う角質の硬い殻。甲羅。かめのこ。
2 六角形が前後左右に連続した模様。きっこう。
3 ベンゼン環のこと。六角形をなすのでいう。
4 波しぶきを防ぐために船の船首につける厚板の囲い。
5 戦国時代に城攻めに用いた兵車で、外面を生の牛皮などで覆ったもの。
「背甲」
カメ類の背面を覆う甲。
「三つ亀甲」
文様・紋所の名。亀甲を三つ組み合わせたもの。三盛(みつもり)亀甲。
「亀甲打ち」
亀甲の文様を打ち出した組みひも。調度・武具の類に用いる。
「亀甲形」
亀の甲のように六角形が上下左右に並んだ形。また、その文様。六角形一つのものにもいう。亀甲。
「亀甲墓」
沖縄で、外形が亀の甲羅を伏せたような形の墓。中国南部の様式が影響したもの。
「亀甲羽熊」 きっこう・はぐま
キク科の多年草。山地の林下に生え、高さ10~20センチ。葉は五角状。秋、白い花を多数つける。
「亀甲船」
1 李朝時代の朝鮮の軍船。矢や敵の侵入を防ぐため、船体上面を厚板で亀甲状に装甲した船。
2 日本の近世前期の小型軍船で1のように装甲したもの。
「甲袈裟」 こうげさ
袈裟の地が亀甲模様でそれを青・黄・紫などに染め、縁を黒色に染めた七条の袈裟。
「烏賊の甲より年の功」 いかのこうより・ねんのこう
イカの甲はあまり役に立たないが、年功は積めば積むほど価値がある。年長者の経験は重んじなければならないことをいう。
「亀の甲より年の劫」 かめのこうより・ねんのこう
《「劫」は極めて長い時間。「甲」と「劫」と音が通じるところからいう》長年の経験が貴重であるということ。亀の甲より年の功。
家有一老,如有一宝
「鼈甲」 べっこう
1 海ガメの一種タイマイの甲を加工して作った装飾品の材料。半透明で、黒と黄のまだらの模様がある。櫛(くし)・ブローチなどの細工物に用いる。江戸時代、タイマイの甲の使用が禁止されたことから、名をスッポン(鼈)に借りたものという。
2 スッポンの背甲。
「本甲」 ほんこう
本物の鼈甲
「鼈甲飴」 べっこうあめ
黒砂糖や赤ざらめなどを煮て溶かし、型に流して固めた飴。色が鼈甲に似る。
「鼈甲色」 べっこういろ
鼈甲1のような色。やや黒みを帯びた黄色や透明な黄褐色など。
「鼈甲蠅」 べっこうばえ
双翅目ベッコウバエ科の昆虫。
「鼈甲蜂」
1 膜翅目ベッコウバチ科の昆虫。
2 膜翅目ベッコウバチ科の昆虫の総称。
「甲烏賊」 こういか
1 コウイカ科のイカ。
2 石灰質の甲をもつイカ。モンゴウイカなども含めていう。
「紋甲烏賊」
1 カミナリイカの市場名。特有の斑紋がある。
2 コウイカ科のヨーロッパコウイカ・トラフコウイカの市場名。前者はヨーロッパ・アフリカ沿岸に、後者は東南アジアからインド洋にかけて産し、背面に虎斑(とらふ)紋がある。
「穿山甲」 センザンコウ
有鱗目センザンコウ科の哺乳類の総称。家猫大で、全身が毛の変化したうろこで覆われ、敵にあうと丸くなる。歯がなく、長い舌でアリをとって食べる。四肢ともに鋭い鉤(かぎ)づめをもつ。アフリカから東南アジアにかけて分布。
「兜虫・甲虫」 かぶとむし
コガネムシ科の昆虫。
「甲虫」 こうちゅう
甲虫目(鞘翅目とも)の昆虫の総称。
「蟹甲」 かいこう
カニのこうら。
「貝香・甲香」 かいこう・こうこう・へなたり
貝、アカニシのふた。粉末にして練り香の材料とする。へなたり。こうこう。
「甲骨文」 こうこつぶん = 「甲骨文字」 こうこつもじ
《「文」は文字の意》占いの記録のためにカメの甲や獣類の骨に刻まれた中国最古の文字。多く殷墟から出土。図像的要素の強い原始文字で、漢字の原形となる。甲骨文字。
「頭甲」 ずこう
1 頭蓋骨。脳天。
2 笠をかぶりよくするために裏側につける輪の形をしたもの。
「翼甲類」
オルドビス紀に出現し、デボン紀に絶滅した原始的な魚類。無顎類の一群で、あごがなく、頭部は硬い骨板で覆われる。
「甲に着る」 こうにきる
他人の威光を借りたり、自分の地位を利用したりしていばることのたとえ。
「笠に着る」 かさにきる
権勢のある後援者などを頼みにしたり、自分に保障されている地位を利用したりしていばる。また、自分の施した恩徳をいいことにして勝手なことをする。
「権力を笠に着る」
狐假虎威?
盔甲类
「甲冑」 かっちゅう
戦いの時身を守るために着用する武具。胴体を覆う甲(よろい)と、頭にかぶる冑(かぶと)。
「甲冑魚」
古生代に存在した硬く厚い外骨格をもつ魚類。翼甲類と板皮類のこと。兜魚。
「甲冑師」
甲冑を作る職人。具足師。
「具足師」 ぐそくし
鎧や兜を作ったり、修理したりする職人。
「堅甲」
1 かたくて丈夫な鎧。「堅甲利兵」
2 かたい甲殻。
「佩盾・脛楯・膝甲」 はいだて
鎧の付属具の一。腰の前から左右に垂らして股と膝を覆うもの。下部を小札で威したものや、革などで綴じたものがある。膝鎧。
「膝鎧・膝甲」 はいだて・ひざよろい
鎧の付属具の一。腰の前から左右に垂らして股と膝を覆うもの。下部を小札で威したものや、革などで綴じたものがある。
「綿甲」
唐様式を模倣した奈良末期の鎧の一。布帛で表裏を作り、中に金属片・真綿を入れて石矢を防ぐようにしたもの。綿甲冑。
「直兜・直甲」 ひたかぶと
一同そろって鎧兜に身を固めること。また、その人々。
「短甲」
古代に使用された鎧)の一種。鉄板を鋲で留めたり、革紐でとじたりして胴部を覆ったもの。胴丸などより丈が短い。
「馬鎧・馬甲」 うまよろい
昔、軍馬に着せた武具。馬面(ばめん)・胸甲(むなよろい)・尻甲(しりよろい)からなる。
「鎧形・甲形」
平安時代、節会の行事などの際、近衛の官人が着た儀仗用の鎧。布帛に金・銀などの装飾を施したりして鎧の形に作ったもの。
「真っ甲」 兜の鉢の正面。
「甲卒」 こうそつ
鎧をつけた兵卒。。
「甲兵」 こうへい
1 武器。
2 武装した兵士。
「兵甲」
1 武器と甲冑。いくさの道具。兵器。
2 兵士。また、戦力。
3 戦争。
「挂甲」 かけよろい
1 =「挂甲」 けいこう 古代の鎧の一。
2 =「打掛鎧・挂甲」 うちかけよろい 絹布に墨・漆などを塗って作った礼装用の鎧。武官が儀式に着用した。
「裏甲」 うらごう
神社・仏閣などで、軒先の茅負(かやおい)の上にのせる化粧板。
「甲鉄」
1 =「甲鉄板」 軍艦・戦車・砲台などで、弾丸の防備に用いられる鋼鉄の板。
2 =「甲鉄艦」 鋼鉄板で装甲された軍艦。
「装甲」
1 甲(よろい)をつけて武装すること。
2 敵弾を防ぐために船体や車体に鋼鉄板を張ること。また、その鋼鉄板。「装甲された車両」「装甲艦」
「装甲車」
装甲2を施した車両。特に、機関銃などで武装した軍用自動車。
「機甲」
科学兵器や機械力で装備すること。
「機甲部隊」
戦車・装甲車・自走砲など火力と機動力を有する機械化部隊の総称。
「鉄甲」 てっこう
鉄製のよろい・かぶと。また、非常に堅牢(けんろう)なよろい・かぶと。
「徹甲弾」
装甲板の貫通を目的とする弾丸。弾頭にタングステン合金を用いる。
「破甲弾」 はこうだん
軍艦・戦車などの装甲を貫き、内部に入ってから爆発する砲弾。
「甲状」 こうじょう
兜のような形。
「甲状軟骨」 ~なんこつ
喉頭にある最大の軟骨。喉頭全体を鎧状に保護している。頸部前面中央の隆起したところはのどぼとけと呼ばれ、男子では特に発達が顕著である。
「甲が舎利になる」 こうがしゃりになる
鎧のような堅いものが粉々に砕け、火葬後の骨の様になる意から、滅多にありえないことの喩え。
「舎利が甲になる」
とてもありえないことのたとえ。
甲板类
「甲板」
㈠ こうはん・かんぱん
船の上部にあって、鉄板または木板を張りつめた広く平らな床。デッキ。かんぱん。
「主甲板」 しゅかんぱん 艦船で、上甲板の下の最も広い甲板。
「上甲板」 じょうかんぱん・じょうこうはん 船舶の甲板のうち最上部にあるもの。
「甲板室」 船舶の上甲板に設けた船室。船長室・操舵(そうだ)室・船楼など。
「甲板長」 船の操縦、船体の保守、積み荷の管理などに従事する船員の職長。水夫長。ボースン。
「甲板積み」 船倉に積み込めない貨物を甲板上に積むこと。また、その積み荷。
「甲板渡し」 = エフ‐オー‐ビー・FOB 《 free on board 》本船渡し。貿易取引条件の一。
「甲板旅客」 低額の運賃で甲板に寝起きして渡航する船客。かんぱんりょかく。
「平甲板船」 上甲板に艙口や機関室などがあるほかは平らで、船楼のない船。
㈡ こういた
1 机・棚などの上面の板。
2 神社建築などで、鰹木を支えるために、棟に沿って渡してある長い厚板。
「縁甲板」
床張り用の幅の狭い板。両側面に凹凸の加工をし、実矧ぎなどで接ぐ。壁・天井などにも使用。えんこいた。
「勾張り・甲張り」 こうばり
1 家などが傾いたり倒れたりするのを防ぐためにあてがう材木。突っ支い棒。
2 掘った穴の土留めの板が倒れないようにあてがう材木。
3 庇い立て。あと押し。 袒护、庇护
その他
「指甲」 しこう
指の爪。
「指甲花」
ミソハギ科の低木。中近東地方の原産で、中国南部・インド・アフリカ北部などで栽培される。古来、若枝や葉を乾燥させ、橙(だいだい)色の染料をつくり、爪などを染めるのに用いた。花からは香料をとる。
「爪甲」 そうこう
つめ。
「手の甲」 てのこう
手背
手を握ると外側になる、手首から指のつけ根までの面。
「手甲」 てこう = 「手っ甲」 てっこう
用来保护手背和手腕的东西。
紺の布や革で作り、手の甲や手首をおおい保護するもの。屋外労働や旅行、また、武具として用いられた。てこう。
「甲高」 こうだか
1 手や足の甲が高いこと。また、そのさま。「幅広で甲高な足」
2 足袋や靴で、足の甲にあたる部分が特に高いもの。
「甲掛け・甲懸け」 こうかけ・こうがけ
手足の甲に掛けて日光やほこりを避ける布。特に、旅装具として用いた。
「義甲」
弦楽器を演奏するときに、指先にはめたり指で持ったりして用いる爪(つめ)状の道具。箏爪(ことづめ)・ピックの類。つめ。
「手手が甲」
1 昔、組み合わせた手を顔に当てて指の間からのぞき、「ぜぜがこう」と声をあげて相手をおどかした遊び。また、その唱え言葉。
2 昔の子供の遊びの一。互いに手を組み合わせ、手の甲を打ちながら歌をうたってはやし、うたい終わったときに手を打たれた者を鬼とする。
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