▼26年ぶりの株安と、いきなりの円高にきしむ秋。景気に遠慮して解散は遠のき、お国の「埋蔵金」から総額2兆円があまねく配られるという。巨富を持たない平穏と心細さを、天秤にかける。お金の話に明け暮れた10月の言葉から
株安 かぶやす
円高 えんだか
軋む きしむ 物と物とがすれ合って、きしきし、みしみしなどと音を立てる。
遠退く とおのく 遠くに離れる。遠ざかる。
普く・遍く あまねく もれなくすべてに及んでいるさま。広く。一般に。
巨富 きょふ
平穏 へいおん
心細い こころぼそい
天秤 てんびん
明け暮れる 夜が明け、日が暮れる。月日が過ぎる。1日1日が過ぎ去る。
▼米国などの金融支援を一喝したのはブラジルのルラ大統領。「アメリカの確実な経済とやらはどこへ行った。利益を独り占めしていた国々が、金持ちの損失を社会主義的に分かち合おうなんて」
一喝 いっかつ ひと声、大声でしかりつけること。
とやら (連語) はっきりと示さずぼかして言うときに用いる語。とか。
独り占める ひとりじめる
分かち合う わかちあう 互いに分ける。分け合う。
▼京大院に留学中のマコネン・アレマイヨさん(31)。母国エチオピアからのドル建て送金が円高で目減りした。「急に物価が高くなったように感じてしまう。コーヒーを飲む回数を減らしたりして、ちょっと憂うつ」
母国 ぼこく
エチオピア 埃塞俄比亚
ドル建て 債権・債務の関係をドル貨に換算した金額で表示すること。
目減り めべり 物の実質的な価値が低下すること。
憂鬱 ゆううつ
▼参院審議でカップめんの値段を問われた麻生首相。「最初に日清が出した時、えらい安いなあと思ったが、あの時何十円か。いま400円くらいします?」。そんなもの知らなくても首相は務まれど、格差対策に魂がこもるまい
魂 たましい
篭る こもる
▼福島市であった就職合同面接会。「接客業に就きたいが、求人は前年の半分と聞いた。本当に運が悪くて、泣きそう」と高3男子。内定取り消しの大学生は怒りのやり場もなかろう
接客業 せっきゃくぎょう
やり場 やりば
▼ノーベル経済学賞に決まった米プリンストン大学のポール・クルーグマン教授(55)。「生きている間に、世界恐慌に類似する事態に直面するとは思ってもみなかった」
恐慌 きょうこう
類似 るいじ
▼兆の字が躍る紙面を見るにつけ、身の丈に合った幸せを考える。暗算で加減できる程度の身銭と、旬の味覚があればよし。〈算盤の玉のごとくに吊し柿〉高島征夫
躍る おどる
身の丈 みのたけ せいの高さ。身長。背丈。
身銭 みぜに 自分の金。自分の個人的な金銭。
算盤 そろばん
如く ごとく
吊るし柿 つるしかき 渋柿の皮をむき、ひもや縄につるして干し、甘くしたもの。つりがき。
0 评论:
コメントを投稿