常用漢字3/1945「扱」

扱う
1 道具・機械などを、使ったり操作したりする。取り扱う。
壊れやすいので丁寧に扱う
旋盤を扱う
2 物事をとりさばく。仕事として処理する。
事務を扱う
輸入品を扱う店
3 人をもてなす。世話をする。
大ぜいの客を扱う
4 ある身分・役割・状態にあるものとして遇する。
大人として扱う
欠席として扱う
5 特に取り上げて問題にする。
環境問題を扱った番組
新聞で大きく扱われる
6 調停する。仲裁する。
けんかを扱う
7 看護する。
病者のことを思う給へあつかひ侍るほどに」〈源・夕顔〉
8 持て余す。処置に困る。
皆この事をあつかひて議するに」〈今昔・一〇・五〉
9 うわさをする。
人々も、思ひの外なることかなとあつかふめるを」〈源・紅葉賀〉

扱い
1 操作すること。処理すること。
この器具は扱いが難しい
小荷物扱い所
2 待遇・応対のしかた。
扱いが公平だ
客の扱いがうまい
3 ある身分・役割・状態にあるものとして接すること。
部長扱い
子供扱い
機密扱い
4 紛争・訴訟などの仲裁をすること。また、その調停者。仲裁。調停。
よいところへ扱いがはいったと云ってよろこぶ者もあり」〈谷崎・盲目物語〉
5 看護すること。介抱すること。
対の方のわづらひける頃は、なほ、その扱いに、と聞こしめしてだに」〈源・若菜下〉

 ⇒扱ひ種・あつかいぐさ ⇒もて扱ひ種
   1 世話をする対象。養育すべき子供など。
    「一条の宮の、さる扱ひ種持給へらで、さうざうしきに」〈源・匂宮〉
   2 話題。うわさの種。
    「この君達の御ことを扱ひ種にし給ふ」〈源・椎本〉
 ⇒気扱い  気づかい。気苦労。
 ⇒客扱い
  1 「客あしらい」に同じ。「古い旅館で客扱いに慣れている
  2 客として扱うこと。「いつまでも客扱いされては困る
  3 鉄道で、旅客の輸送に関する業務。
 ⇒車扱い
   鉄道で、大量の貨物を、貨車1車を単位として貸切運送する取扱方法。貸切車扱い。貸切扱い。
 ⇒宅扱い
   鉄道荷物・貨物運送の種別の一。15キロまでの小荷物を、差出人の家から受取人の家まで配達するもの。
 ⇒小口扱い
   貨物輸送で、専用の車両を必要としない程度の少量の荷物の運送。
 ⇒荷扱い
   荷物を取り扱うこと。特に、運送する荷物の発送・受け取り・保管などをすること。
 ⇒物扱ひ 物事を取り扱うこと。また、世話をやくこと。おせっかい。
 ⇒他人扱い  親族や親しい人を、他人のようによそよそしく扱うこと。
 ⇒特別扱い 他とは違う扱いをすること。「上客として特別扱いする
 ⇒子供扱い
   1 大人を子供のように軽く見くびって扱うこと。子供あしらい。
    「いい年だというのに子供扱いする
   2 子供の世話をすること。育児。
    「子供扱いがじょうずだ
 ⇒継子扱い 他の者と区別して仲間はずれにすること。
    「文壇で継子扱いされる作家
 ⇒ボンド扱い
   その国に持込むと課税される場合、保税倉庫に預け、出国の際受取る取扱。税関で手数料を払い手続きする。
扱はし・あつかわし  あれこれと世話をしたい。面倒がみたい。
為扱ふ しあつかう  処置に困る。もてあます。
見扱ふ
   1 世話をする。また、看病する。
   「みづからの上のもてなしは、また誰かは見扱ふはむ」〈源・総角〉
   2 厄介な思いをする。手を焼く。
   「いと苦しと見扱ひて」〈源・東屋〉
持ち扱う
   1 手で持って動かしたり、使ったりする。取り扱う。
    「何貫もの大石を持ち扱って行かなければならなかった」〈島木健作・生活の探求〉
   2 取り扱いに困る。もてあます。
    「彼は今や人知れず滝野を持ち扱っていた」〈佐藤春夫・晶子曼陀羅〉
   3 もてなす。待遇する。また、対処する。
    「そんな卑しいものにはお前を持ち扱わなかった」〈近松秋江・疑惑〉
もて扱う
   1 取り扱いに困る。もてあます。
    「飛んだ奴に引っ掛かったと思ってもてあつかっているのだ」〈鴎外・雁〉
   2 大切に取り扱う。世話をする。
    「ことなることなき人の、子などあまたもてあつかひたる」〈枕・一五五〉
言ひ扱ふ
   1 あれこれとうわさする。とりざたする。
   「聞く人あさましき事なりとぞ言ひ扱ひける」〈今昔・二六・二三〉
   2 助言を与えたりして、世話をする。
   「かの遺言はたがへじと思ひ給へて、ただかく言ひ扱ひはべるなり」〈源・夕霧〉
思ひ扱ふ
   1 心を尽くして世話をする。
   「ねんごろに思ひ扱ひ聞こえまほしき心の」〈浜松・四〉
   2 思い悩む。思い煩う。
   「三解脱門風涼しきに、思ひ扱ふ煩悩の焔(ほのほ)皆滅除すらむ」〈栄花・玉の台〉
取り扱う ⇒取り扱い
  1 物を動かしたり操作したりする。
  「機械を取り扱う
  「乱暴に取り扱う
  2 物事を処理する。とりはからう。担当する。さばく。
  「事務を取り扱う」「事務取扱
  「入品を取り扱う
  「運送取扱人
  「特殊取扱電報・郵便
  3 人を世話する。もてなす。接待する。
  「正客として取り扱う
  「重に取り扱う
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扱く こく
1.捋下来 同「しごく
2.捋平
3.连根拔除 同「こぐ



扱く しごく  ⇒[可能] 扱ける
1 捋。細長いものを握ったり指で挟んだりして、強く押さえつけるようにしながら、その手や指をこするように動かす。
槍を扱く」    槍・やり
帯を扱く」  帯・おび
顎鬚を扱く」 顎鬚・あごひげ
木の葉を扱く
2 严格训练。 きびしく訓練する。
合宿で新入部員を扱く
3 ひどくいじめる。
そんならこいつもう扱いてしまはにゃならぬ」〈浄・歌祭文〉
扱き しごき 
1 しごくこと。細長いものなどを手で握りしめ、引き抜くように動かすこと。
扱き元結」 こよりを長くよって水に浸し、糸車でさらによりを強めたもの。しごきもとゆい。
 ↑-就是一种经过处理的结实的头绳是不?还是不太明白。
2 きびしく鍛えること。
先輩の扱きにあう
3 「扱き帯」の略。 
   ⇒女性が、身長に合わせて着物をはしょり上げるのに用いる帯。
   ⇒花嫁衣装や七五三の盛装などに用いる飾りの帯。

扱く こく 
1 細長い本体に付いている物を手や物の間に挟んで引っぱり、こすり落とす。しごく。
稲を扱く
2 間にたるみをなくするためにこするようにして手前に引く。
両手に穿(は)めたミット入の黒の長手袋を扱きあげる」〈風葉・青春〉
3 「扱ぐ」に同じ。

⇒動詞
 ⇒扱き入る →[音変化]扱きる  しごき取って入れる。むしって入れる。
   ↑ 把它捋进去????
 ⇒扱き落とす 捋下来 「籾を扱き落とす」  籾:もみ
 ⇒扱き下ろす
   1 しごいて落とす。こき落とす。 捋下来
   2 欠点などを殊更に指摘して、ひどくけなす。  贬到一文不值
     「さんざんに扱き下ろす」   贬斥得体无完肤
     「面と向かって扱き下ろす」 当面把他贬斥得一钱不值.
 ⇒扱き垂る  こきたる しごき落として垂らす。また、しごき落としたように垂れる。
 ⇒扱き散らす こきちらす しごき落として散らす。
 ⇒扱き使う  人を、手心を加えずに激しく使う。
   「従業員を扱き使う
   「牛馬のごとく扱き使われる
 ⇒扱き混ぜる 2種類以上のものを混ぜ合わせる。うそとまことを扱き混ぜて話す
 ⇒扱き敷く  こぎしく しごき落として敷き並べる。
     「秋風の吹き扱き敷ける花の庭清き月夜に見れど飽かぬかも」〈万・四四五三〉
⇒名詞
 ⇒扱き元結 こきもとゆい・しごきもとゆい
 ⇒腕扱き腕っ扱き = 腕利き・うできき
   1 腕力や技量がすぐれていること。また、その人。有本领有能耐(的人),能手
     「腕扱きの飾り職
     「腕利きの職人
   2 腕力のすぐれていることを誇示すること。
 ⇒糸扱き
   手縫いで、縫い進んだあと、指先の腹で糸をしごき、布がつれないようにすること。
 ⇒千把扱き  稲・麦の脱穀用農具。
 ⇒金扱き  歯が鉄製の稲こき。
 ⇒麦扱き   
 ⇒稲扱き いなこき・いねこき  ⇒稲扱ぎ歌
 ⇒扱き箸・こきばし = 稲扱箸・いねこばし =扱き竹・こきだけ
   竹を二つに割って下端をくくり、割れた部分に稲穂を挟んで引っぱり、もみを落とす用具。

扱ぐ こぐ ⇒根扱ぎ 
连根拔除
《「こ(扱)く」の語尾が濁音化したものか》草木を根のついたままそっくり引き抜く。根こぎにする。
雑草を扱ぐ

扱心流・きゅうしんりゅう
柔術の一派。江戸中期、近江の犬上郡兵衛永保の創始という。  近江・おうみ